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最近、日韓間の飛行機便は取りにくい。1997年の12月に韓国がIMF金融を受けることになり、ウォンに対して円がそれまでの二倍ほどの価値になってから、韓国は日本の観光客にとって魅力あるものになったからだ。もちろんその他にも理由はあると思われるが、とにかく日本の観光客が韓国に集中しているのが一番の理由だ。
韓国に来て一体何をするのだろう。まずはショッピング。免税店に行くとルイ・ヴィトンやプラダの売り場は、いつも日本人で溢れかえっている。そして、食べ物。辛いものが大丈夫な日本人が増えたせいか、ガイドブックに載っている飲食店で、日本人観光客がほとんどの席を占めている。そして、アカスリに代表される韓国の汗蒸幕(韓国風サウナ)にも、日本人はたくさん来ている。
アカスリは、韓国人にとっては当たり前の習慣だ。今ではほとんどの家にお風呂がついているのにもかかわらず、一ヶ月に一度は銭湯に行ってアカスリをする。日本人が考えているようにアカスリは、本来人にしてもらうものではない。もちろん自分でできない部分(背中とか手の届かない部分)は、人の助けを借りる場合がある。しかし、今ではどこの銭湯に行ってもアカスリを専門にしてくれる人たちがアカスリ台でごしごしやってくれる。垢を洗い流すことによって、さっぱりした気分になれるのできれいになった感じがする。
3月、4月と黄砂がひどかった時、私は肌が荒れたようだったので久し振りに垢を洗い流そうと銭湯に行った。韓国の銭湯は、大体サウナ付きなので外には、「大衆サウナ」と表記されたところが多い。入浴料は、3,000ウォンから3,500ウォン。法律で入浴料の枠が決まっている。
日曜日の午後だったせいか、町の銭湯は大変混んでいた。目のやり場に困り、とりあえずシャワーを浴びてお湯の中に入った。まず体をお湯につけることでアカスリしやすくするためである。ゆったりお湯につかると、少し心が落ち着いてきたせいか、回りを見渡す余裕ができた。
そこで目が点になってしまった。鏡の前の三、四人が青い顔をして鏡を見詰めているのを目撃したからだ。「えっ、宇宙人?まさかね」。じっと見ていると、その人たちの隣に新たな人が登場した。その人は、洗面器に生キュウリをおろし金でおろしはじめた。一本おろし終わると、おろしキュウリを顔につけはじめた。キュウリパックが完成すると今度はヨーグルトを取り出し体に塗り始める。面白いので、お湯から出て、その人のすぐ後ろに陣取った。キュウリの青臭い臭いと、ヨーグルトの甘い香りが鼻をつく。そして、隣の人と同じように鏡に映っている自分の顔をジッと見つめている。楽しいのかな、インタビューしてみたい気持ちにかられた。
また違うところでは、牛乳で顔や体を洗っている人が目についた。みんなきれいな肌のためにがんばっているな。私はアカスリに来ることさえ滅多にないのに。一通り私も自己流のアカスリをした後、サウナに入ってみた。そこにはこう書かれていた。「洗濯物を干さないでください。」
銭湯は、体の垢だけでなく服の垢も取りに来る所だったのね。そう言えば、この注意書きにも拘わらず、私の隣に座ったおばさんはすぐに下着を洗い始めた。
韓国観光公社では、日本人のアカスリ観光に目をつけて、「美肌観光コース」を紹介している。でもそれは「汗蒸幕」だとか「足のマッサージ」とかやたら高いコースが多い。読者の皆さんは、一度繁華街から外れて、町の「大衆サウナ」を利用してはいかがでしょう。また違った韓国を味わえるのではないでしょうか。そこでは心の垢も取れるかもしれませんよ。
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