Q:1248への回答、ありがとうございました。もうだいぶ前ですが、アメリカ人の映画脚本家と、物語の構造について話したことがあります。彼は、「物語には2種類しかない」という持論の持ち主で、「人が穴に落ちて這い上がる話か、穴の中で死ぬ話」の2種類しかないということでした。面白い仮説です。 人が穴に落ちた場合、這い上がるためには、いくつかの前提条件があります。まず、当たり前のことですが、「自分は穴に落ちている」という自覚が必要です。その上で、穴の大きさや深さや土質、何らかの道具は確保できるか、あるいは外部との通信手段はあるのか、食料や水、そして体力はどの程度保つか、などなど特殊な状況下における「情報」と「資源」を考慮し、這い上がるための方法を考え、実行に移すことになります。 現在の日本の状況をどう捉えるかですが、坂の上の雲を追って峠を越えたと思ったら、意外にも足元に穴があって「落ちた」のか、そして何らかの方法で這い上がる必要があるのか、がまず問題となります。たとえば財政赤字ですが、穴には落ちていない、それほどシリアスなものではないと判断すれば、対策を考えるモチベーションも上がらないでしょう。 穴に落ちていると自覚した場合には「どんな穴に落ちているのか」という状況認識が重要になります。穴から這い上がるためにもっとも必要なのは何かと考えることもポイントです。苦難に満ちた人に対し、本当に必要なのはお金や仕事なのに、愛情や絆だと勘違いさせるような「物語」が多いのではないかと考えているうちに、穴のエピソードを思い出しました。
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