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No.556 Monday Edition 
配信日:2009-11-02
 Q:1035への回答ありがとうございました。わたしは個人的に、日本航空という会社への政府の支援には強い違和感を持ちます。理由はいろいろありますが、あまり指摘されないものとして、「大きな会社は潰れない」と若い人たちに刷り込まれるという事実があるような気がします。起業&チャレンジ精神を持てとか、安定だけを目指すなとか、自分にフィットした中小企業があるはずだとか、若者向けのさまざまなメッセージがありますが、政府による日本航空の救済は、「どんなに旧態依然としていても大企業のほうがいい」という強いメッセージを発していることになります。

 別のところでNYの冷泉さんが書かれていましたが、マイケル・ジャクソンの遺作である「THIS IS IT」を見ました。非常によくできたドキュメンタリーで、ファンではなくても充分に楽しめます。本人の死でコンサートは幻に終わったわけですが、音楽と映像とパフォーマンスを組み合わせたそのコンセプトはまさに現代のオペラとでも呼びたくなるような、サービス精神とハイテクにあふれていて圧倒的でした。

 特筆すべきは、ダンサーの質の高さです。オーディションで選ばれたダンサーは、全員最高レベルの実力者ばかりでした。そして、映画を見ているうちに、この人はどうして死んでしまったのだろうという疑問が改めて湧いてきました。映画でダンスのリハを行うマイケルの運動量は尋常ではありません。突然亡くなってしまう人がこれほど激しいダンスを長時間踊れるものだろうかと、どうしても納得できませんでした。

 かってルドルフ・ヌレエフは、「(自分を除けば)20世紀最高のダンサーはフレッド・アステアかも知れない」というようなニュアンスの発言をしたことがありました。マイケル・ジャクソンのダンスとコリオグラフィは、ヌレエフやアステアと並び称されるべきものだと、改めてそう思いました。
村上龍RYU'S CUBAN NIGHT