JMMでは村上龍から投げかけられる質問に金融経済のスペシャリスト達が回答をし、
メールマガジンとして配信中です。
※当ホームページでは、毎週火曜日にバックナンバーを追加掲載しています。
Q.1260
配信日:2012年05月01日
わたしは高度成長とともに育ちましたが、当時は、経済が成長し、豊かになっていることを日々実感することができました。今は、あのころより経済規模が格段に大きくなっているにもかかわらず、「経済的に豊かだ」という実感を持ちにくいような気がします。どうしてなのでしょうか。
寄稿家:
真壁昭夫
信州大学経済学部教授
わが国の高度経済成長期に、私たちが豊かさを実感できた要因はいくつかあると思 います。まず一つは、経済成長が始まる前の発射台が低かったことがあるでしょう。 1945年、わが国が終戦を迎えた時期、東京など大きな都市は焼け野原になってい たと言われています。子供の...
寄稿家:
水牛 健太郎
経済評論家
私は1967年生まれで、狭い意味での高度成長期は小学校に入るころには終わっていま したが、時代の雰囲気のようなものはバブルの到来まで変わらずに残っていました。 その頃は確かに、昨日よりも今日、今日よりも明日という成長の実感があり、「ノス トラダムスの大予言」の...
寄稿家:
北野 一
「豊かさの実感」という意味では、「複利効果」も大きな意味を持っているかもしれ ません。よく知られているように、7%で成長すると、10年で倍になります。 1960年代の日本のように実質GDPが10%で成長すると、4年で所得が倍にな ります。衆議院議員の任期や、オ...
寄稿家:
杉岡秋美
生命保険会社勤務
高度成長時代、1955年から1973年の間の平均実質成長率は10%を超えます。1945年の 敗戦によって、それまでがんじがらめであった社会がGHQの5大改革などで一気に 開放され、その後の国際情勢にも恵まれて経済が一気に開花しました。10%以上の経 済成長をほ...
寄稿家:
中空麻奈
BNPパリバ証券クレジット調査部長
「幸せのものさし」 フォアグラやキャビアを食べると美味しいと思います。でも、昨日も食べてたら、 もう美味しいとは思わない。むしろ、身体に悪いとか文句ばっかり言うことになりま す。毎日、普通のご飯だからフォアグラが美味しい。変化率が高いから、すごい変 わった...
寄稿家:
津田 栄
経済評論家
「経済環境により変化する豊かさの実感」 経済的に豊かだという実感は、なんといっても給料など所得が増えていたときだと 思います。そして、先行きの将来についても期待が持てて、不安があまりない状況の 中、ローンを組んでも欲しいものが買えるときではなかったかと思い...
寄稿家:
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
1980年代後半のバブル景気は経験したが高度経済成長を経験していない私にとっ て、今回のテーマから想起する本は、ベンジャミン・M.フリードマン著『経済成長 とモラル』東洋経済新報社です。前回の私の回答でも触れましたが、この書は、経済 成長と人々が感じる豊かさの...
寄稿家:
山崎 元
経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
そもそも、「経済的豊かさ」を人間はどのように感じるのでしょうか。おそらくそ れは、暖かいとか、美味しいとか、面白いとか、刺激的だとか、自分が注目されてい る、といった各種の直接的な知覚を通じて喚起された「何らかの感情」を、物質的・ 金銭的な理由で再解釈し直す...